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良き時代

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    市場はいつも忙しい


 
――あの頃はやたら忙しかったねえ
 
 
昔を知る古参の市場人は言う。
今でも毎日あわただしい市場だけど、
かつてはこんなものじゃなかったらしい。
昭和3、40年代のお話だ。
 
 
河岸ン中は、人もすれ違えないほど混んでたし、
息つくヒマもなくいつも身体を動かしていた。
メシなんて歩きながら喰ったもんだよ。
 
 
その頃、場内にはそこいら中にお金が落ちていた。
おかしいよ。札とか落ちていても、誰も拾わねえんだ。
見向きもしねえほど誰もが忙しがってた。
 
 
豪快だった頃の魚河岸。
いつも活気があって、お金<人<時間<魚 … (<大金)なんて図式で、
小事にこだわらずにやれた良き時代。
そんな魚河岸を見てみたかったな。
できることならタイムスリップして、その頃に行ってみたい。
それで毎日毎日、お金を拾って過ごしたい。