築地魚河岸ことば “呉れてやれ”
くれてやれ【呉れてやれ】《慣用句》
(魚を)持っていけの意。
かつて築地の仲買は小売の魚屋に対してひどく尊大な態度をとることがあった。
魚屋は仕入れた魚が鮮度が落ちていたり、品が悪かったりすると、
当然、値切りの掛け合いとなるが、番頭と交渉していると、奥から主人の
“呉れてやれ”の一声が飛んでくる。
本当に呉れてやれば河岸の旦那らしくてカッコいいが、
実際には八十銭の価値しかないものを一円で売っておいて、
その二十銭を値切りにきた分だけ「呉れてやる」ということだ。
とくに棒手振(ぼてふり)の行商人が多かった時代には、
魚屋は魚河岸の問屋、仲買から一段低く見られていて、
こんな乱暴な商取引がまかり通っていた。