市場は値段をつり上げるところ

『江戸はこうして造られた』(ちくま学芸文庫)という
すばらしく江戸を理解することができる本を著された鈴木理生さんが
エッセイのなかで
「市場の仕組みは、いわば、ものの値段をつり上げる場所です」と語られていて、
なるほど、と目からサカナのウロコが落ちる思いがした。
生産者は慈善事業ではないのだから、
築地が少しでも高く買うからこそ生産物が東京に集まってくる。
そもそもセリとは値段を高くするためのものだと。
だから産直がいいよとか、
いっそ現地にでかけて魚を食おうなんて考えても、
本当は東京で普通に出回っているものがいちばんよかったりして、
けっきょく灯台下暗しだったりするわけなんだ。