ラジオで眠れない (2)22:00~
気象徴予報部、午後10時発表の気象通報を申し上げます。はじめに天気概況、
明石町の南、北緯35度、東経139度には1007ミリバールの発達した低気圧があって北北西に進んでおります。一方、万年橋の東、北緯35度、東経139度には1020ミリバールの高気圧があって、ほぼ停滞しています。このため、閉塞前線の交差する築地市場のあたりでは雷や雹が降っております。
続いて各地の天気、
波除神社では北東の風、風力3 曇り 02ミリバール 気温10℃
場外市場では南の風 風力4 曇り 01ミリバール 気温18℃
仲卸店舗では 南の風 風力4 晴れ 1045ミリバール 気温26℃
銀鱗会 東の風 風力5 天気不明 08ミリバール 気温は不明です
マグロせり場では 西の風 風力3 雨 987ミリバール 気温24℃
超低温冷蔵庫では 北の風 風力8 霙 986ミリバール 気温-40℃
続いて気象徴海洋ブイおよび船舶の報告をお知らせします……
さて、築地地方の天気図も描けたんで、またラジオをきこう。
10時半からは、TBSだったけかな、「ミステリーS」ってのをきいてた気がする。
そこでやってたレノックス・ロビンスン原作の「顔」ってのがヒジョーに恐かった。
いまだにいっとう恐いお話のひとつだと思う。

名機クーガー2200のフィギュア
この時間になると「そろそろ寝なよ」と親にいわれるので、とりあえず寝床につき、
ロケット型の鉱石ラジオにきりかえるんだけど、これがまたチューニングがむずかしい。
ようやく微弱なニッポン放送を受信すると、
高橋祐二が調子に乗せて「ソニー・ディスク・フラッシュ」とかやってる。
~♪ ソニー、ディ~スク、フラーッシュッ!
多分、生録とか効果音なんかの音趣味な番組だったと思う。
で、23:35~ 沢田研二の愛を求めて
無呼吸になる前、パラシュートもつける前のジュリーが愛を求めていた。
23:45~ ザ・パンチ・パンチ・パンチ
「ア・ハァ~ン、ウッフ~ン」ではじまる、当時としては親にナイショできくべきお色気番組。
提供は平凡パンチで、小学生にとって「平凡パンチ」といえば
6年2組のカッちんは「平パン」見てテント張った、などとまことしやかに伝えられたものだ。
今思えばどうってことないけど、鉱石ラジオをかなり慎重にチューニングしながらきいた。
00:00あおい君と佐藤クン
~♪ズッチャッ・ズチャチャッ・ズッチャ……のメジャーセブンスのボサノバ生ギターにのって、
“……きょうカレにいわれたの キミの髪って 不思議な甘いにおいがするね、なんて、
ヒミツはこれ……”
みたいなナレーションのエメロン・シャンプーのCMに続いて、
あしたのジョーのあおい輝彦とケメことフォークシンガーの佐藤公彦のトークが始まる。
ピンポ~ン、という明るいチャイムの音がして、軽快な語りが始まるのは、
耳の奥底から“ジェットストリーム・ジェットストリーム・ジ・エ・ツ・ト・ス・ト・リ・ー・ム!”
と強迫的に近づいてくる裏番組とは好対照だったけれど、
さて、この番組がどんな内容だったかはちっとも覚えていない。
けっこう好きだったんだけど、記憶に薄い。覚えているのはただ、
~♪チャン・チャカ・チャカ・チャン……PPMばりスリーフィンガーのアコギにのって、
“たそがれどきに見つけたの おしゃべりな瞳が 少しだけ片想い
きのうみた夢は 歌い忘れた一小節のように ヒミツはこれ……”
のエメロンシャンプーのCMだけだ。
0:10 たむたむたいむ
か~ぜ~さ~ん!
かぜ耕士の「たむたむたいむ」は中学生の、わりと思春期な頃まで熱心にきいていた。
リスナーの録音メッセージを流す「30秒たむたむ発言」とか、
「お便り読みっぱなしの日」とか「自作自演コーナーなんてのがあった。
「自作自演」はアマチュアの自作曲を紹介するもので、
“ハックルベリーフィン”なんてグループがいて、『流れ星』って曲が良かったな。
“卒業生と在校生”っていうのもあったなあ。
「たむたむ」が終わる頃になると、そろそろ眠くてモーローとしてくる。
イヤホンを耳に押し込んだまま寝てしまい、朝になったら耳の穴がものすごく腫れたことがあった。
やっぱ、小学生には午前0時以降は未知の世界で、
オールナイトニッポンとか深夜放送をきくようになるのは、中学生になってからのことだ。